米Qualcomm(クアルコム)は2022年6月1日(現地時間)、XR(クロスリアリティー)やメタバース開発も視野に入れたAR(拡張現実)開発プラットフォーム「Snapdragon Spaces XR Developer Platform」を一般公開すると発表した。同プラットフォームは2021年11月に発表され、パートナー数社に試験提供されていたが、今後、一般開発者も自由にダウンロードできるようになる。今回は、連携するハードウエア開発キットの販売も開始する。これらを活用することで、ARの可能性が広がり、今後のXRやメタバース開発促進にもつながっていくとしている。

(画像:Qualcomm)
(画像:Qualcomm)
[画像のクリックで拡大表示]
関連ニュースリリース1: Snapdragon Spaces is Globally Available for All Developers to Download and Revolutionize Headworn AR 関連ニュースリリース2: Snapdragon Spaces XR Developer Platform Launches to Create Headworn AR Experiences that Adapt to the Spaces Around Us

 Qualcommの「Snapdragon Spaces」サイトからソフトウエア開発キット(SDK)をダウンロードすることで、ARアプリ開発が可能になる。ARグラス用の3Dアプリ開発に加え、既存の2DアプリにAR機能を追加することもできるとする。

(画像:Qualcomm)
(画像:Qualcomm)
[画像のクリックで拡大表示]

 同社はこのSDKと連携するハードウエア開発キットも提供する。キットには、中国Lenovo(レノボ)のスマートグラス「ThinkReality A3」と、米Motorola(モトローラ)のスマートフォン「edge+ 2022」が含まれている。ThinkReality A3は、CPUにSnapdragon XR1を採用し、片眼1080pの高解像度動画を提供する8MピクセルのRGBカメラと、室内トラッキング用のデュアル魚眼レンズカメラを搭載する。一方のedge+ 2022 には、Snapdragon 8 Gen1が採用されている。こちらもSnapdragon Spacesサイトから注文可能となっている。

(画像:Qualcomm)
(画像:Qualcomm)
[画像のクリックで拡大表示]

 Qualcommは、これらプラットフォームを通して、物理世界とデジタル世界の境界性をシームレスにつなぐAR開発が可能になるとしている。また、今後は、XRやメタバース開発に向けた取り組みも強化していくとしている。

 同社は、2022年3月21日には、「Snapdragon Metaverse Fund」を開設し、メタバース開発企業やエンジニアに向けた最大1億米ドルの投資計画を明らかにしている。既に、3DやAR、XRコンテンツ配信・管理用クラウドプラットフォームを運営する米echo 3Dやメタバース構築を進める米Trippへの投資を進めており、今後もこうした活動を広げていくとしている。

関連ニュースリリース3: Qualcomm Launches $100M Snapdragon Metaverse Fund